ミカドヤな日常

アートディレクター/グラフィックデザイナーの夫とイラストレーターの妻の日常です。ミカドヤのHPはコチラ:design.mikadoya.jp

言霊娘。

おかげさまで結婚19周年を迎えることができました。
とりあえずここまでようやってこれたなぁと2人で顔を見合わせつつ、特に何もすることはない。。特別豪勢なものを食べるワケでもない。。いつも通りの一日。まぁこんなもんでしょう。

そんな感じでなんだかんだ来年は節目の20周年を迎えますが、最近一回目の節目10周年時のこんな出来事を思い出しました。

 


なにやるにしても「お金かかるからいつも通りでいいよ」が口癖の妻に、
「来年の10周年記念は盛大にやろうか?」と試しに聞いてみると、
「そうねぇ・・・。あっ!東京に行って、思い出の銀座あたりを歩こうか!」という予想外の返し。(ちなみに私が勤務していたデザイン会社は銀座にありました)
(・・・えっ?珍しい。。しかもえらいピンポイントで言ってくるなぁ笑)と、当時どんな案件でも受けれるだけ受け、日々余裕が無かった私は「・・・まぁ行ける状況だったらね笑」くらいに軽く流しておりました。 

2人してそんなやりとりも忘れていた一年後、ポストに入っていたのは妻がプライベートで応募していたポスターデザイン受賞のお知らせと表彰式の招待状。
よく見るとその式典の開催場所がなんと東京銀座、しかも日付は結婚記念日の11月23日。
一年365分の1の確率かつ、開催場所もピンポイント。
「ウソ〜!」と夫婦して鳥肌を抑えながら 、本当に結婚記念日を東京で迎えることになりました。
 

今の住居がまだ砂利の駐車場だった頃、ふと立ち止まり「私ここに住みそうな気がする」と言って私に失笑をもらった数週間後、「売土地」の看板が掲げられたかと思うと、様々なご縁で本当にそこに居住を構えることになったり、本当にこの人は不思議な人です。(飲み会で出会った易者の方が妻を見て「いた!」と言ったこともあります。)
 
 
さぁ、来年は記念すべき20周年目。
ウチの言霊娘が次はどんな予言をしてくれるのか楽しみです。


 

【 今日の1本 】 
すばらしき世界(2021年/126分/日本)

19年、本当に辛いことも楽しいこともたくさん経験してまいりましたが、なんだかんだ素晴らしい人生だったね、と縁側で言えたらいいなぁと思います。
(ちなみに西川美和作品全部好きですが、こちらはあの『ゆれる』を超えるほど「すばらしき」作品です)

 

ロケット公園で、おったまげ。

桜の木もすっかり紅く染まり、差し込む日差しも柔らかくなってまいりました。

のんびり愛犬とまどろむお姿↓に、見ているコチラも癒やされます。

そのまどろみに近寄る、我が家の愛犬・・・。

まどろみをぶち壊す、我が家の愛犬。

すみません(汗)と平謝り。犬社会を理解するのは至難の業です。

 

息子(3歳10ヵ月)はというと、揺れが怖かったブランコもすっかり楽しくなったようで、そんなちょっとした変化に成長を感じます。

そんな息子を前に、「一緒になって遊ばなきゃ、公園じゃないでしょっ!」と張り切った結果、

見事に滑り落ちる↓↓↓。

(左下:「母ちゃん・・・マジか。」の顔をしている息子の影)

 

そりゃ、そーだ。

両手上げて滑ったら、そーなるだろよ。

 

 

軽く腰を痛めて、公園を後に。

心意気と体力が交差しない、そんな週末でありました。

 

おい見たぞ、は嬉しい。

先月納品しました佐賀県の『吉野ヶ里遺跡御朱印
5日(土)付けの佐賀新聞にてご紹介いただいております。

中学校、高校の友人たちとはお互い家庭もあり仕事もあり会う機会もだいぶ減りましたが、こういう時に「おい見たぞ」、「なんや『デザイナー』って笑」と写メが届くとやはり嬉しいものです。

これからも両親に喜んでもらえるよう、地元の仲間たちに忘れられないよう(泣)、地域の発展に役立つよう頑張っていきます。

 

新しい領域。

台湾カステラ百々鷹さまの紙袋。
T岡GM自ら届けてくださいました。(わざわざすいません泣)

オープンから一切販促展開をされていないにも関わらず、店舗でも催事でも売れ行き好調という嬉しいご報告。この紙袋も有料ですが、「カワイイ!」と皆さんカステラと一緒に購入してくださっているようです。
「ただ、商売はそんなに甘くありません。今がずっと続くとは限らないので、常に新しいものを取り入れてかき回していかないと」と、さすが元料理人ならではの表現、T岡さん。
これからじっくりと販促物やコンテンツ強化に取りかかられるそうです。

今までのアートディレクションから、今回は『コンテンツディレクション』というミカドヤにとっても新しい領域をご相談いただき、私たちもますます勉強していかなければなりません。かき回していかなければなりません。『ミカドヤな日常』の隠れファンという(隠れるなっ!)T岡さんのご期待に応えないといけません。

これからも愛されるお店づくりに私どもの知識が活かせるよう、精進していきたいと思います。

 

参戦、城南フェス。

秋空の下、城南フェスティバルが開催されました。

少しずつ復活しつつある地域のイベント。

派手やかなフェスもいいんでしょうが、わたしはやっぱりコッチ派。

メディアで発信される眩しい賑わいよりも、地域のほんわかした雰囲気が大好きです。

焼きトウモロコシ、地鶏の炭火焼き、ちらし寿司、ポップコーン、クッキー、シフォンケーキ、どれもこれも安くて美味いっ。

場所を変えて、本日の目的でもある『はたらく車』とのふれあいコーナーへGO。

(注意、事故現場ではありません。)

街行く姿はよく見ても、実物を間近で拝めるとなりますと、このテが好きな子供たちにはたまらないイベントのようです。

親だってそのことを知っていますから、何十分も待ってでも見せてやりたい、触れさせてやりたい、そんな保護者たちで会場はいっぱい・・・。

ポンプ車、白バイ、パトカー、高所作業車、憧れの車に子供たちは大はしゃぎ。

うん、確かに迫力あってカッコイイよね!

 

・・・あれ?

息子よ、どーした?

まさかの、一周回ってテンションが下がる、ってやつかい?

 

「ヤダ、のらない。」
いよいよとなったら、気後れしてしまう、息子あるある(母似)。

 

とにかく、せっかくですから写真でも撮っておこうとカメラを向けたら・・・、

よりによってこんな日に紛らわしい格好で来ていた、父親↓。

「オイ、キサン、ナンバトリヨートヤァ?」
連行される前に、テレビカメラに向かってイチャモンをつける・・・おなじみのセリフが聞こえてきそうです。

 

ややこしいご主人と、もじもじの息子をよそに、私はパトカーに乗車。

〜婦人警官のMに捧ぐ〜

 

 

息子(3歳10ヵ月)のおかげで、童心に返ることが増えました。同時に、自分たちを育ててくれた両親のことも想うようになりました。

息子が大きくなって、同じことを想う日もくるのでしょうね。

 

『想い』を『想い』で。

佐賀県武雄市にございます一般社団法人おもやい様の新拠点お披露目会にご招待いただきました。

快晴の中、来賓者・関係者たくさんの方が来場され、おもやいさんの活動に賛同する方の多さに改めて感心しました。

 

防災ブックと別でご依頼いただいていた活動紹介リーフレット

防災ブック、防水ポーチの3点セットで配布されておりました。

国会議員の方が防災ブックを片手に、防災の大切さ、武雄市がこれからおもやいさん達と目指すもの、そして小難しい政府の防災誌をこれくらい分かりやすく読みやすくしたい!と熱弁を奮われておりました(笑)

シャボン玉が舞う中、最後はこの地域で馴染み深い『うれしめでた』で締め。

その後は内覧会。
市長も防災ブックに興味を持ってもらい読み進めておられました。(グイグイ言うたりました笑)


そんな父親をよそに、

息子は同世代の子たちとオモチャのお披露目会。


館内いたるところに、

スタッフ手作りの案内板。

スイっちとミーズがおもやいスタッフの一員となっていることにコチラもホッコリなります。

 

 

「あのキャラクターを作られた方ですか!」
ご挨拶させていただく度に好評の声を生で聞き、私も妻も感無量。

ひとつのキャラクターを抽出する作業はとてもエネルギーがいることで、誰からも愛されるようにと、妻はいつも試行錯誤しております。

何ページに及ぶラフスケッチの中から「ワタシ、ココよ!」と、ひょっこり顔を出すそうですが、

まぁ、現れないときは現れない。。

見てください。↓これなんて完全にゴン太くんです(だいぶ路頭に迷ってます泣)

ということで、

御祝いのお花代わりに新たに書き下ろした原画とスタッフTシャツをお贈りしました。

妻のサインが入っておりますので、何百年後どこかで掘り起こされたら値打ちがついているかもしれません(笑)

 

『想い』ではじまり、『想い』を納めた今回のお仕事。

皆さんとの出逢いはミカドヤにとってかけがえのない財産となりました。

お互いの得意分野でこれからも地域を活性化させていければと思います。
ご依頼どうもありがとうございました。

 

商業デザイナーの意義。

佐賀県武雄市の一般社団法人おもやい様より防災ブックのご依頼をいただきました。
武雄市は地形と有明海の干満差により氾濫しやすく、とくに2019年・2021年の2度に渡った線状降水帯による大雨の被害で2000世帯の方々が浸水被害を受けられた地域。
そんな方々をサポートしようと地元・県内外メンバーを中心に設立されたのがおもやいさんです。(※「おもやい」の言葉は佐賀では「共有する」という意味。)

いざというときはどんな人でもパニックになるものです。ましてや家の中に大量の土砂が入ってきたら尚更です。
緊急時はもちろん、平時の心構えとしても常備していて欲しいということで、制作するにあたり大切にしたのは、保管したくなるもの、読み進めたくなるもの、怖く煽りすぎず、ホッコリしながら子供からお年寄りまで防災を分かりやすく身近に感じてもらえるもの、でした。

防災を身近に分かりやすく・・


私たちが提案したのは一本の傘。
実は傘はとても身近にある防災グッズともいえます。
冷たい雨から身を守り、濡れている人を隣に入れて、
困っている人がいたら渡すこともできる。

 

「これぞ、『おもやい傘』です!」と自信満々に提案する妻の横で、

「無理ぃ〜しぃ〜てぇ〜飲ん〜じゃ〜」と、親愛なる幸っちゃんが毎回頭を駆け巡っていた私。

 

都道府県には様々な防災ブックが発行され、打ち合わせ中も沢山の資料を見ました。どの県も趣向を凝らしていましたが、その中で「こういうのだけは作りたくない」と出された一冊の防災ブック。数年前震災が起こったある県のものでしたが、デザインされすぎていて、文字は小さすぎて読めないわ、色や文字組みは奇抜すぎるわ、被災した家屋写真はカッコ良く処理されているわ、まぁデザイナーのエゴというべきものでした。「まぁ、若者目線で作ったんでしょうねぇ。。苦」と少なからず私もフォローしましたが、その時のスタッフさんの一言、「人が亡くなられているのにですね....」にハッとさせられました。

 

私たちの仕事はなんなんだろう?と本当に考えました。自分がデザインしたことでもしかしたら一人の命が救えるかもしれない。とても大事な箇所を「見えない」ということでチェックできない高齢者がいるかもしれない。普段の仕事はもちろん、とくに生死に関わるものは繊細に繊細に取り組まないといけません。まずは誰にでも『防災』を意識させることが大前提であり、捨てられないことはもちろん、読めないなんて言語道断です。「よくしたい」という想いのもと集まった助成金、寄付金で自分の好き勝手作るのは商業デザイナーとはいえません。
それでも『作品』を作りたい人は自腹切って個展でもやればいいんです。

この本の案内人として設定したキャラクター、『スイっち』と『ミーズ』。
ページ内を縦横無尽に動き回ってくれます。

 

 


ご依頼をいただいた時からずっと頭の中にあったことがあります。
2017年の九州北部豪雨災害時、クリエイターたちで「デザインで被災地をなんとかしよう」という動きがありました。もちろんそれも素晴らしい考えですが、今被災されている人たちはデザインよりも単純に人手が一番必要なのでは?とそのまま現場に単身向かいました。

私が配属されたところはまだ一般参加受付を始めたばかりの断水中の梨農家さん。自衛隊が先導する中を進むにつれ、ご自宅の光景に目を覆いたくなりました。粘土質の土砂がとても重く、バケツに入れても入れてもキリがなく、飾られているご先祖たちの笑顔の写真と現状の悲惨さに何とも言えない気持ちになりました。
完了後、作業車に乗り込む私たちを見えなくなるまで頭を下げて見送ってくださったご家族。「畑はダメになったけど、命があるだけよかったと思わなぁ。」と、自分たちが一番大変な中、神妙な顔をした私たち一人一人に笑顔で感謝を述べられたあの姿が今でも忘れられません。

 

しっかり見やすく分かりやすく、

基本の防災グッズを紹介するだけでなく、備えるものを一つずつチェックできるページにしたり、

誰でも気軽にできるボランティアへの参加を楽しみながら理解してもらえるページにしたり、

おもやいスタッフの経験値には到底及びませんが、あの時のご家族のことを思い出しながら、実際に被災地で見てきたもの、体験したことを私もこの32ページに込めました。

 



「被災した人たちの生の声を入れたいです!私インタビューしてきますから!」
「泥臭く、地元目線で作りたいです!」
スタッフさんの言葉ひとつひとつが(もう二度とあんな思いをして欲しくない)という優しさに溢れ、こういう方々に出会えたご縁に本当に感謝しました。(バンブーさき子、ありがとう!)

まずできることから少しずつ始めながら、いつ起こるかもしれない災害時、この本が人に寄り添い、励ましになるのであれば本当に嬉しいです。

 

今年の台風被害の際も宮崎県延岡市まで飛ばれたおもやいさん。
全国各地で困っている人のために尽力されているおもやいさんを、今度は私たちがサポートできればと考えております。

 

一般社団法人おもやい
住所:佐賀県武雄市北方町大字志久1931-6
TEL・FAX:0954-33-0444
詳しいHPはコチラです。