ミカドヤな日常

アートディレクター/グラフィックデザイナーの夫とイラストレーターの妻の日常です。ミカドヤのHPはコチラ:design.mikadoya.jp

私の、道しるべ。

息子を保育園に送った帰り道のこと。

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「この辺で、いちばん近い皮膚科はどこですか?」


80歳半ばぐらいのおばあちゃんから、道を尋ねられたのです。

 

「えっと・・・ですね〜」。
思い当たる皮膚科は、その場所から歩いて15分ほどでしょうか。8時半、ぐんぐん気温が上がり始め、この坂道を下りて、あの角を曲がって、それから〜・・・。

想像すると、手押し車のおばあちゃんにはしんどい道のりかなと思いました。お話を聞いてみると、引っ越されて間もないのか、土地勘があまりないとのこと。だとすると、この説明だけでは不親切かもしれません。

 

「すみません、なんか分かりづらい説明で・・・。」と詫びる私に、微笑むおばあちゃん。

 

「いやいや、お忙しいのにスミマセン、ありがとうございました。途中で分からなくなったら、また誰かに聞きますから。」

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うんと年下の私に丁寧なお礼を述べられ、ぺこっと会釈。

ゆっくりと坂道を下って行かれました。

 

”分からなくなったら、また誰かに聞きます”

 

便利なツールがなくとも、口で尋ね、耳で聞き、自分の足で歩んでいく。
あぁ、きっとこの方はこうやって実直に生きてこられたんだなぁ、と・・・・。どう表現してよいのかうまいこと綴れないのですが、自分が自分のことを頼りにしている。頼りがいのある自分がいつも傍にいる。すごくステキだなと思いました。

 

 

今の自分が出来る範囲でやっていく、ゆっくりでもいいので。

 

もっとできるはずなのに、もっとやれるはずなのに。
そんなスパイラルに陥っていた私。

 

 

「このスパイラル、どうやったら抜け出せますか?」

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道を尋ねられたのは私なのに、教えてもらったのは私の方でした。

 

おばあちゃん、ありがとうございます。

私も、私自身が頼りたくなるような私に成長できるよう、前へ進みますね。