ミカドヤな日常

アートディレクター/グラフィックデザイナーの夫とイラストレーターの妻の日常です。ミカドヤのHPはコチラ:design.mikadoya.jp

佐賀、新銘菓。

佐賀県佐賀市にございます『いもあめ ごとう』さまよりブランディングのご依頼。
常連さんのクチコミでお客様も増え、これから本格的に「佐賀の銘菓」にすべく今一度ごとうのいもあめが世にやるべきことを抽出し、中長期的な指針を導き出します。


店舗視察で感じたのは老若男女あらゆる世代に愛されている商品ということ。決して分かりやすいとはいえない立地にも関わらず、ご年配はもちろん若い女性から子供まで次から次へとご来店。(どこかで芋飴=ご年配のイメージがあった私。。大変失礼いたしました汗)。とくに息子と変わらないほどの小さい兄妹が手を取り合い「いもあめくださいっ!」の声の可愛いこと可愛いこと。
それもそのはず、ごとうさんは一周年の際に近所の子どもたちが手作りの花束を持ってきてくれたくらい地元に溶け込み愛されているお店。この純粋な子どもたちの想い、お店の素朴さはリニューアル後も絶対に変えてはならないと、この時から決めておりました。

商品が担っているモノやコトを探るなかで、「家庭の平和が、世界の平和につながる。その父親の言葉がずっと残っているんです。」という印象的なお話をヒントに、現在に至った経緯や、これから切り開いていく未来を軸に組み立ててきました。

 

親しみのある大学芋のほっくり感を表現したロゴタイプ

名前は『モイモイ』。芋飴とペンギンをモチーフにしたマークです。佐賀市内で大学芋の需要があるのか?とずいぶん悩まれ、自分を信じてやってみようと決断されたお話を伺ったときフッとファーストペンギンを連想。これまで使用されていた自作のロゴも踏襲し、想いを継承させました。

 

 

後藤さんは常にお客さまにワクワクしてほしいという信念の持ち主。手土産などでお客さまが選んでいただきたいと、楽しい掛け紙を当初からご希望されていましたので幅広いデザインで制作。

注文に併せて様々な箱を用意されてますが、どの組み合わせでも掛け紙一枚で全て流用できるようデザイン。限られたご予算内で最大の効果を発揮させる、デザイナーの腕の見せどころだと思います。

 

視察で気になったのがショーケースに入った商品群。

全て同じラベルだったため、フレーバーを識別するには中の色味をよく見ないといけないこと、とくにプレーンと黄粉が見分けにくいことを踏まえ、商品ごとのアイコンラベルを提案。

これにより一目で中身が分かるようになり、お客さまもストレスなく識別できるようになりました。

 

「ごとうのいもあめは、こうありたいよね」をもとに綴ったステートメントと商品説明コピー。

常に前を向く後藤さんの想いを抽出しました。


包装紙、商品リーフレット、手提げ袋、名刺など全て新調。

ブランディング後、効果がかなり顕著に表れたようで以前に増して売り上げを伸ばしているという嬉しいご報告。この勢いに乗り、満を持して市内大通り沿いの好立地に2店舗を出店されます。これから私たちにできることでサポートしていきたいと思います。(後藤さん、スゴイ!)


実は後藤さんは宮城県気仙沼市のご出身。東日本大震災も経験され、ご家族・自宅はなんとか無事だったのですが、あの凄惨な光景を目の当たりにし人生観が大きく変わられたとのことです。

 

「とにかく世のため人のため。そして自分自身が楽しく生きていけるように。」

 

そんな根底にある想いが後藤さんの芋飴に溢れています。
カリッと、ホクっと。いもあめの想いが皆さまのお手元に届きますように。


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