ミカドヤな日常

アートディレクター/グラフィックデザイナーの夫とイラストレーターの妻の日常です。ミカドヤのHPはコチラ:design.mikadoya.jp

金八でも鬼塚でもなく。

急激に肌寒い朝と、ねぎ(犬)散歩。
十分歩いたのでそろそろかな、と帰路についた時、遠くで子どもの泣く声が。

声のするほうに向かうとランドセル姿の泣きじゃくる少年。後ろを振り返ってはヨロヨロと進み、進んではまた戻る少年。とにかく大声で泣いていました。

 

何度も後ろを振り返る、ということは家から親がこの姿を見ているのか?だったらそれも家庭の教育方針。こういう場合はあまり他人が介入したらいけないんだろうか。。と思いつつも(こんなとき妻だったらどうするだろうか)と、放っておけず声をかけました。

「どうしたの?」「今日は学校やめとくかい?」「お家まで一緒について行こうか?」「何年生かな?」「あ、ウチの息子は一年生だよ」「お父さんお母さんは仕事?」

何を言っても泣いて顔を上げてくれません。
首をタテ・ヨコに振ることでようやくコミュニケーションが取れた少年から分かったのは、やはり学校には行きたくない、お母さんは仕事に行っている、今お父さんは家にいる、でも帰ったら怒られる、というものでした。

「だったらどうしようか?おじさんがキミのお父さんと話そうか?」「それともこのワンちゃんと一緒に学校の近くまで歩くかい?」

・・コクンとうなずく少年。一緒に歩くことを決意してくれたので思わず、「あっ、このワンちゃんもうお婆ちゃんでさ、ゆっくりしか歩けないけどそれでもいい?」と言うと顔を上げてくれました。

「急がなくていい」というのがよかったのか、そこからはもう我らがねぎさんと少年の独壇場。ゆったりゆったり歩く彼女と一緒に歩幅を合わせる彼に、「わかるよ〜おじさんも学校嫌だったなぁ〜」「まずは校門まででいいよ」「もし教室が嫌だったら今日は保健室にいてもいいさ」と、武田鉄矢や反町ならもっと奮い立たせること言うんだろうな、と頭をフル回転させながらやっとこさ学校へ。

校門近くにはもう一組の親子。
出勤前のお母さんが必死にうつむく我が子を説得していました。

 

「おはよう、ねぇ、キミもこのワンちゃんと一緒にあそこまで歩いてみないかい?」

 

こちらの彼は泣いてはいないものの、ふさぎ込んでもうそれどころじゃありません。

時刻はもうすぐ9時。教室からは1時間目の声が聞こえてきました。校門に一人たたずむ校長先生も子どもたちが来るのをじっと待ってらっしゃいます。

 

後ずさりする我が子にお母さん、
「ダメだ!そこから後ろに下がっちゃダメだ!前に進みなさい!」
と必死に声をかけられていました。

もうそのお母さんの声が切なくて切なくて。。


そしたら今度はそのお母さんの足元に座るねぎ。もうね、動物には勝てません。

 

笑顔で校長先生が迎えにきたので私の役目は一旦終了。
校長にも私が何者かを伝え(ついでに一年○組の息子も宜しくと伝え)、ねぎさんと帰路へ。
ええ、7時に出発した散歩が9時30分に帰宅でしたよ。

とにかく今日のMVPは、ねぎ先生!
改めて親になる大変さと無償の愛情を目の当たりにした朝の出来事でございました。

 

 

【 今日の1本 】
モンスターズ・ユニバーシティ(2013年104分/アメリカ) 

なんでもいい、正解不正解なんてないんです。学校に馴染めず不登校でもコミュニケーションが苦手でも私は大成功を収められている社長やオーナーを何人も知っています。現在お仕事進行中のオーナーもその頃の経験があったからこそ今の自分がある、と言われています。(絶賛ロゴ制作中)
私ら昭和の頃は根性論で片付けられていましたが、私は全然逃げていいと思うタイプです。