ミカドヤな日常

アートディレクター/グラフィックデザイナーの夫とイラストレーターの妻の日常です。ミカドヤのHPはコチラ:design.mikadoya.jp

風のようでありたい。

福岡で活動されていますアクセサリー作家『tide』様より、リデザインのご依頼をいただきました。

祖父母が大切にされてきた築65年の平屋にて創造される天然石の耳飾りたち。

その創作活動のいたるところに丁寧な暮らしが見てとれます。(ておいっ、勝手に花を摘むな妻!)

天然石に拘る理由として、自然なままのものであり、一つとして同じものがないこと。
不純物や気泡が混じっていてもいい、「美」の基準は人間が決めたもの。それよりも何の石を使っているのかが大事であり、晴れの日もそうでない日も、ささやかに寄り添ってくれるものを創っていきたいという想い。

なによりも「伝えたいことなどない。そう、風のようでありたいんです。」というお言葉が非常に印象に残りました。

ロゴタイプは築65年の工房になぞらえて、現代のデジタルフォントではなく、当時同時代を生きたモンセン書体清刷集よりAvocado Scriptを採用。

独特の書体にほどよい揺らぎを加え、tideの意味である潮や波、流れを表しました。

 

「風のようでありたい。」
tideさんにしかない風がどこかにあるはずだと目に留まった書。この家を引き継いだ時からあるもので、作者不明だそうですが、ずっと祖母が大切に飾られていたようです。

この達筆な草書の中に奇跡的に見つけた「風」をロゴタイプのバランスに取り入れました。

そのまま、tideをvent deに置き換え、tideさんが起こす「〜の風」という意味にも繋げました。

何と言ってもロゴをタテにすると作品のエレメントとリンクする仕掛けにし、こちらも大変喜んでいただきました。

 

工房を取り巻く環境には魅力的なモチーフがいっぱい。

それら全てを結集させたシンボルマーク。

 

tideさんと妻で作り上げたブランドメッセージ。

 

ブランドの完成です。

私たちが感じた柔らかい日差し、揺らぐ風、柱時計のカチカチ...ゆったりとした時間を表せたと思います。

 

絶対的なコンセプトと耐久性のある造形は、その後の展開もシンプルに効果を発揮してくれます。何も説明せずとも、tideさんの世界観が好きな人には自ずと響いていただけるツールになっています。(紙質はもちろん、活版や箔押しなど様々な加工を施したにも関わらず、今まで自作でパッケージングされていたときよりもコストダウンを達成することができました。)

実は私たち、彼女が会社員だった頃からよく知った仲。
その頃からいつか独立するならミカドヤさんにデザインして欲しいと思っていたと初告白。「お二人に依頼するのが夢だったんです笑」と、とても嬉しいお言葉をいただき、私たちもデザイナー冥利に尽きるお仕事となりました。

 

人の出逢い、運命はどうなるかわかりません。
一期一会。 これからも潮の流れのように自然体でお客さまと向き合っていこうと思います。
彼女のこれからに乾杯!