48年前の6月21日(水)午前10時。4,000gちかくある女の子が産まれた。待望の姫さまの誕生だ。その当時では高齢出産と言われる32歳で出産した彼女は、9歳と7歳の男の子をもつ母親。自宅で出産し、役目を終えた胎盤はご先祖様のお墓のそばに埋めてくるようにと、産婆さんに指示された夫は、報告を兼ねてお墓参りへ。

その姫は今年で48歳になり、白梅の美しい3月に母親を看取ったそうな。
百箇日も済ませ、想像していたよりも平穏に日常を取り戻せているなと思った矢先の6月21日。40歳で母親になった姫は、32歳の母親に会いたいと思った。
産後の彼女に声をかけてあげたいし、なんなら1ヶ月ほど赤子のお世話を買って出よう。今なら手伝える。布おむつだったから、人手はあったほうがいい。幼い兄弟の宿題だってみてあげられるし、弁当も作ってやれるだろう。
産後の肥立が良くなったら、サヨナラしなければならない。
頑張ってねと手を握り、あなたはきっと素敵な母親になるから自信もつんだよと、年下の彼女にエールを送る。
彼女は言う「お礼になにかあげたい」と。
「じゃぁ、あなたの両頬に出るえくぼを一つくださいな」
そうして私は、左頬にえくぼをもらった。笑わないと出てこない、えくぼ。辛くたって、笑えば出てくるえくぼ。
これからは、会いたい時はこの小さな凹みを人差し指で触ってみることにする。

そして、たまには息子にも触らせてやろう。