ミカドヤな日常

アートディレクター/グラフィックデザイナーの夫とイラストレーターの妻の日常です。ミカドヤのHPはコチラ:design.mikadoya.jp

死に様の生き様。

仁義なき戦い BlulayBOX』の特典映像、『ドキュメンタリー“仁義なき戦い"を作った男たち』を観て、
いつも同じ場面でグスッとしてしまいます。
川谷拓三こと拓ボン志賀勝福本清三etc。。。泣く子も黙るピラニア軍団』の生き様です。


有名な話ですが、
当時の東映の大部屋俳優たちは少しでも長くカメラに映るよう、
何百人もいる役者の中で誰よりも目立つよう、
主役級スターたちが休憩している中、時間さえあれば死に様の練習。
毎日、京都撮影所の稽古部屋4階(4階!?)から飛び降りてアピールしていたといいます。

殺陣師の上野さんが語る、彼等の「鍛錬」の現場。
毎日あのビルの4階から飛び降りていたそうです。




その陰の努力が実ったエピソード。
ある有名俳優A木I郎が「広島には行かない」と出演を辞退した際、
急遽、その空いた配役を探さなければならない状況に陥ったそうです。
今から同級の俳優をブッキングするか、内部から抜擢するか。。。深作さんは悩みました。
その際、渡瀬恒彦を筆頭に「監督、それじゃ拓ボンを連れていってよ!」「そうだそうだ!拓ちゃんを!」と
メインの役者たちが口を揃えて直訴したらしいのです。
それで生まれた『代理戦争』の西条。


女にテレビを買ってやるといってシノギの一部をネコババし、
落とし前に手首ごとブッタ切る、最後までうだつのあがらなかった西条。
変な言い方ですが、今となっては西条役は拓ボンしか考えられないくらい、ハマりまくっています。

渡瀬恒彦拓ボン。この二人にはそんな秘話があるのです)




西条はとても人気のあるキャラで、その後
スター達に混じってフィギュアにもなっております(写真:一番左)




こうなるには日頃の努力とチャンスがまわる運、
そして何よりも人に愛されるということがいかに大事かわかります。
冒頭のピラニア軍団の映像を観るたびに、
大部屋デザイナーの私は「今に見とれよ」と準備を始めるのです。



やっぱり人間こうあらなイカン。
ご静聴どうもありがとうございました。