ミカドヤな日常

アートディレクター/グラフィックデザイナーの夫とイラストレーターの妻の日常です。ミカドヤのHPはコチラ:design.mikadoya.jp

二人のおじいちゃん。

仕事場の棚に飾っているお面。

これは私の地元、佐賀県鹿島市伝統芸能『面浮立(めんぶりゅう)』の面です。
地元の『五穀豊穣』『雨乞祈願』『奉納神事』などの祭典・行事で
髪を振り乱しての鬼たちの踊りはとても勇敢でございます。



地元の人ならほとんど馴染みのある文化で、鹿島市のお土産やさんには
必ずといっていいほどこのお面が飾られております。
郷土愛とでもいうのでしょうか、小学校の運動会では画用紙で作ったこのお面を被り、
腰に据えたミルク缶バチバチ叩きながら踊ったものです。
両親は両親で背中にドーンとこの刺繍が入ったジャージをいつも着ており、
中学生の頃、ウチに遊びに来た友達は皆「鬼のペアルックて・・・」と私の部屋でつぶやくのでした。



ここにある2つのお面は不思議な縁でここに来ました。
数年前、「そろそろ面浮立のちゃんとした木彫りの面が欲しいな〜」と思っていた矢先、
母方の祖父が亡くなり、形見分けの際
祖父の部屋に【立派に飾られていた】雌の面浮立。

親戚も皆持っているということで、結局私が引き継ぐこととなりました。


そしてそのまま福岡に帰る前に、何気に父方の祖父の仏壇を掃除していたら
仏壇と天井のスキマで見つけた【埃を被った】雄の面浮立。

父もそんなところにあったとは何十年も知らず、「欲しいなら持って帰れ」と
結局、2日で雄・雌どちらも手に入れてしまいました。
なんだか少しだけ怖かったのですが、祖父を思うと妙にあったかい気持ちにもなりました。




今でも「啓介、気合い入れて仕事しろよ!」と
二人のおじいちゃんに後ろから言われているような気がします。