ミカドヤな日常

アートディレクター/グラフィックデザイナーの夫とイラストレーターの妻の日常です。ミカドヤのHPはコチラ:design.mikadoya.jp

『想い』を『想い』で。

佐賀県武雄市にございます一般社団法人おもやい様の新拠点お披露目会にご招待いただきました。

快晴の中、来賓者・関係者たくさんの方が来場され、おもやいさんの活動に賛同する方の多さに改めて感心しました。

 

防災ブックと別でご依頼いただいていた活動紹介リーフレット

防災ブック、防水ポーチの3点セットで配布されておりました。

国会議員の方が防災ブックを片手に、防災の大切さ、武雄市がこれからおもやいさん達と目指すもの、そして小難しい政府の防災誌をこれくらい分かりやすく読みやすくしたい!と熱弁を奮われておりました(笑)

シャボン玉が舞う中、最後はこの地域で馴染み深い『うれしめでた』で締め。

その後は内覧会。
市長も防災ブックに興味を持ってもらい読み進めておられました。(グイグイ言うたりました笑)


そんな父親をよそに、

息子は同世代の子たちとオモチャのお披露目会。


館内いたるところに、

スタッフ手作りの案内板。

スイっちとミーズがおもやいスタッフの一員となっていることにコチラもホッコリなります。

 

 

「あのキャラクターを作られた方ですか!」
ご挨拶させていただく度に好評の声を生で聞き、私も妻も感無量。

ひとつのキャラクターを抽出する作業はとてもエネルギーがいることで、誰からも愛されるようにと、妻はいつも試行錯誤しております。

何ページに及ぶラフスケッチの中から「ワタシ、ココよ!」と、ひょっこり顔を出すそうですが、

まぁ、現れないときは現れない。。

見てください。↓これなんて完全にゴン太くんです(だいぶ路頭に迷ってます泣)

ということで、

御祝いのお花代わりに新たに書き下ろした原画とスタッフTシャツをお贈りしました。

妻のサインが入っておりますので、何百年後どこかで掘り起こされたら値打ちがついているかもしれません(笑)

 

『想い』ではじまり、『想い』を納めた今回のお仕事。

皆さんとの出逢いはミカドヤにとってかけがえのない財産となりました。

お互いの得意分野でこれからも地域を活性化させていければと思います。
ご依頼どうもありがとうございました。

 

商業デザイナーの意義。

佐賀県武雄市の一般社団法人おもやい様より防災ブックのご依頼をいただきました。
武雄市は地形と有明海の干満差により氾濫しやすく、とくに2019年・2021年の2度に渡った線状降水帯による大雨の被害で2000世帯の方々が浸水被害を受けられた地域。
そんな方々をサポートしようと地元・県内外メンバーを中心に設立されたのがおもやいさんです。(※「おもやい」の言葉は佐賀では「共有する」という意味。)

いざというときはどんな人でもパニックになるものです。ましてや家の中に大量の土砂が入ってきたら尚更です。
緊急時はもちろん、平時の心構えとしても常備していて欲しいということで、制作するにあたり大切にしたのは、保管したくなるもの、読み進めたくなるもの、怖く煽りすぎず、ホッコリしながら子供からお年寄りまで防災を分かりやすく身近に感じてもらえるもの、でした。

防災を身近に分かりやすく・・


私たちが提案したのは一本の傘。
実は傘はとても身近にある防災グッズともいえます。
冷たい雨から身を守り、濡れている人を隣に入れて、
困っている人がいたら渡すこともできる。

 

「これぞ、『おもやい傘』です!」と自信満々に提案する妻の横で、

「無理ぃ〜しぃ〜てぇ〜飲ん〜じゃ〜」と、親愛なる幸っちゃんが毎回頭を駆け巡っていた私。

 

都道府県には様々な防災ブックが発行され、打ち合わせ中も沢山の資料を見ました。どの県も趣向を凝らしていましたが、その中で「こういうのだけは作りたくない」と出された一冊の防災ブック。数年前震災が起こったある県のものでしたが、デザインされすぎていて、文字は小さすぎて読めないわ、色や文字組みは奇抜すぎるわ、被災した家屋写真はカッコ良く処理されているわ、まぁデザイナーのエゴというべきものでした。「まぁ、若者目線で作ったんでしょうねぇ。。苦」と少なからず私もフォローしましたが、その時のスタッフさんの一言、「人が亡くなられているのにですね....」にハッとさせられました。

 

私たちの仕事はなんなんだろう?と本当に考えました。自分がデザインしたことでもしかしたら一人の命が救えるかもしれない。とても大事な箇所を「見えない」ということでチェックできない高齢者がいるかもしれない。普段の仕事はもちろん、とくに生死に関わるものは繊細に繊細に取り組まないといけません。まずは誰にでも『防災』を意識させることが大前提であり、捨てられないことはもちろん、読めないなんて言語道断です。「よくしたい」という想いのもと集まった助成金、寄付金で自分の好き勝手作るのは商業デザイナーとはいえません。
それでも『作品』を作りたい人は自腹切って個展でもやればいいんです。

この本の案内人として設定したキャラクター、『スイっち』と『ミーズ』。
ページ内を縦横無尽に動き回ってくれます。

 

 


ご依頼をいただいた時からずっと頭の中にあったことがあります。
2017年の九州北部豪雨災害時、クリエイターたちで「デザインで被災地をなんとかしよう」という動きがありました。もちろんそれも素晴らしい考えですが、今被災されている人たちはデザインよりも単純に人手が一番必要なのでは?とそのまま現場に単身向かいました。

私が配属されたところはまだ一般参加受付を始めたばかりの断水中の梨農家さん。自衛隊が先導する中を進むにつれ、ご自宅の光景に目を覆いたくなりました。粘土質の土砂がとても重く、バケツに入れても入れてもキリがなく、飾られているご先祖たちの笑顔の写真と現状の悲惨さに何とも言えない気持ちになりました。
完了後、作業車に乗り込む私たちを見えなくなるまで頭を下げて見送ってくださったご家族。「畑はダメになったけど、命があるだけよかったと思わなぁ。」と、自分たちが一番大変な中、神妙な顔をした私たち一人一人に笑顔で感謝を述べられたあの姿が今でも忘れられません。

 

しっかり見やすく分かりやすく、

基本の防災グッズを紹介するだけでなく、備えるものを一つずつチェックできるページにしたり、

誰でも気軽にできるボランティアへの参加を楽しみながら理解してもらえるページにしたり、

おもやいスタッフの経験値には到底及びませんが、あの時のご家族のことを思い出しながら、実際に被災地で見てきたもの、体験したことを私もこの32ページに込めました。

 



「被災した人たちの生の声を入れたいです!私インタビューしてきますから!」
「泥臭く、地元目線で作りたいです!」
スタッフさんの言葉ひとつひとつが(もう二度とあんな思いをして欲しくない)という優しさに溢れ、こういう方々に出会えたご縁に本当に感謝しました。(バンブーさき子、ありがとう!)

まずできることから少しずつ始めながら、いつ起こるかもしれない災害時、この本が人に寄り添い、励ましになるのであれば本当に嬉しいです。

 

今年の台風被害の際も宮崎県延岡市まで飛ばれたおもやいさん。
全国各地で困っている人のために尽力されているおもやいさんを、今度は私たちがサポートできればと考えております。

 

一般社団法人おもやい
住所:佐賀県武雄市北方町大字志久1931-6
TEL・FAX:0954-33-0444
詳しいHPはコチラです。

 

可能性は無限大。

5期目を迎えられる株式会社ビルドヒューマニー様経営計画発表会に本年もご招待いただきました。

毎年、オープニングに流すオリジナルムービーのご依頼をいただいているのですが、早いもので今年で4作目となりました。

企画する際に念頭に置いているのは、社員一人一人を平等に登場させ、主役にし、経営トップの方々を少しイジる(笑)
いくら面白く仕上がりそうでも、一人でも傷つけないこと、やりすぎないことに気をつけています。

今年はビルドの「B」をモチーフに自由に絵を描いていただき、皆さんの個性豊かな発想を褒め称える7分強の大作にしました。

 

しかし、、、

本当に皆さんの創造力は、いちデザイナーとしても勉強になりました。

 

とくにお茶目な南さんにだいぶ盛り上げていただきました(笑)

鑑賞後には100人近くを前に壇上でのスピーチが待っているのですが、コレが毎回デザイン制作するより難しい。。気の効いたことを言わなくていいのですが、あまりフツーのことも言ってもしょうがない。。
そんな私も何年もこういう機会を設けていただくうちに度胸もつき、アドリブも効くようになりました。これもビルドさんに鍛えていただいたおかげでございます(ホントは苦手なんですけどね泣)

 

代表・甲斐社長から「末永いお付き合いを頼みましたぞっ!」と有り難いお言葉。

もちろんでございますとも!

 

思えば4年前のロゴマークのご依頼から始まったこのご縁。

「社長の横に、アートディレクターを。」を、これからも体現できるよう精進してきます。
(甲斐社長、来年は待ちに待った『甲斐バンド』披露ですぞっ!笑)

 

御朱印に想いを込めて。

佐賀県より、再発掘が開始した吉野ヶ里遺跡御朱印のデザインをご依頼いただきました。
日本全国にある弥生時代遺跡めぐり(吉野ヶ里遺跡鳥取県妻木晩田遺跡など)を行う際に、各県自治体ごとにそれぞれ御朱印を作成し、全国にアピールするというもの。

 

遺跡を表す甕棺をモチーフに篆書体の中から新小篆、説文小篆をベースに制作いたしました。

福岡で一番大きい総合図書館の中でも貸出禁止の資料室にて様々な歴史書、文献などを分析〜研究し、たくさんの篆書体を拝ませていただきました。
パソコンのフォントには存在しない、様々な表情をした篆書体の美しさに改めて感動し、仕事を忘れて没頭した毎日でした。(文字の奥深さをまたひとつ勉強させてもらいました)

 

吉野ヶ里遺跡は、
歴史に思いを馳せる人々の夢や『浪漫』。

そして、
過去と未来をつなぎ、
日々の研究と情熱のバトンを託された皆さんが
今もなお、先人たちの想いを『継承』されています。

 

その吉野ヶ里遺跡を象徴する『浪漫』と『継承』。

それらを御朱印に込めました。

私も遺跡発掘資料室を見学させていただいたことがあるのですが、お話すればするほどその時の研究員さんたちのまるで少年のような純粋無垢な眼差しを思い出します。

 

結果、デザインもとても喜んでいただき、嬉しい限りです。

 

担当H川様からの「ただの御朱印だけに留まらず、マークとして今後も色々な展開がしたいです!」のお言葉が非常に印象的で、皆さまの日頃の想いをカタチにできて本当によかったと思いました。

佐賀県出身の私としても故郷に関するお仕事、今後も携わらせていただければ幸いです。
(親が喜ぶのです!泣)

 

 

詳しくは佐賀県HPをご覧いただければ幸いです。
吉野ヶ里遺跡のオリジナル御朱印ができました』(2022.10.4 PressRelease)

 

私の金メダル男。

待ちに待った息子の運動会。
コロナ禍により昨年は中止となりましたので、今年が初の開催。

行く道中、「頼むから調子にだけは乗らないでね」と妻に20回程念押しされ、いざ会場へ(乗るか!)

先生たちの手作りのオブジェをくぐり、息子も緊張気味。。

 

そして手拍子に合わせて入場、そのまま全児童による歌の発表。
息子の立ち位置は一番前のド真ん中!という絶好のポジション(さすが、持ってる!!)

・・・と思ったのもつかの間、一番前のド真ん中の園児がただ一人、ふて腐れて歌わないどころか、立とうともしません(泣)

もはや帰ろうともしません。完全ひとり運動会です(泣)

息子はなかなかの人見知りでございまして、慣れるまで時間がかかります。
ましてや行ったこともない小学校の体育館で、初めて囲まれる大人たちとカメラに圧倒され、例のやつがフルに発動されておりました(笑)

 

とある日、私と妻に向かって「二人は社交的なのにね〜どうしてだろうね〜」と言ってきた人がいらっしゃいます。

「・・・そうですねぇ〜」と私は軽くいなしておりましたが、妻曰く
完全に竹中直人になっていたらしいです。

 


いいんです、いいんです。
恐がりだろうが、気が小さかろうが、恥ずかしがり屋だろうが、それも個性。
絶対に皆と同じことやらなければいけない、なんてないんです。
それよりも、この一瞬一瞬をちゃんと目に焼き付けておかなければ。。

そんなことを考えながら、親子参加の障害物競走。

僕ら親子は見事にダントツ最下位(とりあえずメダル噛んどけ噛んどけ笑)

 

中盤からやっと環境にも慣れ、迎えた最後の大レース、全児童によるリレー競走。
私たちと目が合うと、グッと引き締める顔に成長を感じます。

・・・が、気合いを入れすぎてコース外を大まわり(泣)


いいんです、いいんです。
人と同じコースなんて走らなくていいんです。
「迷わず行けよ、行けば分かるさ」です。

何があろうと、彼は私にとって最高の金メダル男でございます。
息子よ、さぁラーメン喰って帰るぞい!!

 

【 今日の1本 】 
燃えよドラゴン1973年/100分/香港・アメリカ)

昭和の小学生が皆通ったヌンチャク作りを令和の子供に伝授していきたいと思います。

 

打ち合わせ、仕様。

テレビの前の長机を運び出し、ダイニングテーブルを、えっさホイサ。

はい、打ち合わせスペースのいっちょできあがり。

 

ココ最近はじめた、コロナ感染対策。

玄関先には、体表温度検知機の変わりに、犬。(またの名を「温度犬知機」)

 

うがい、手洗い、3密回避。

 

引き続き、感染対策しながら、
今週も皆さまどうぞよろしくお願いいたします。