ミカドヤな日常

アートディレクター/グラフィックデザイナーの夫とイラストレーターの妻の日常です。ミカドヤのHPはコチラ:design.mikadoya.jp

すすむをつくる。

日本・海外のインフラを支え続けて50年。福岡県大牟田市にございます信号電材株式会社さまのリブランディングに伴うクリエイティブを担当させていただきました。

信号電材さまは日本国内の信号機製造のトップシェアを誇る会社。日本全国の約3本に1本は同社が製造開発されたものです。(信号機をいくつか見上げてください。結構な割合でSDと記してあると思います)

 

経営トップ、各部門からプロジェクトチームを選定、一般社員も参加しての「企業スローガン」を抽出するため、幾度となくワークショップを重ね紡ぎ出された言葉は『すすむをつくる。』。

ブランディングカンパニー・CROMAGNONさんのここに至るまでの数年に及ぶ歳月と、180ページを超える企画提案書を見せていただき、身の引き締まる思いで取り組ませていただきました。

 

CIに関しましては既存のロゴマークに対し、リファインレベルに応じて数段階のデザインを検証。

既存のロゴの世界観は崩さないことを念頭に、より時代性・汎用性のあるものにリファイン。

 


西日(にしび)など太陽による信号機の視認性の悪さを解決した「西日対策信号灯器」をはじめ、信号灯機の光源が電球からLEDに移行するタイミングで警視庁に採用された「LED式車両用信号灯機」、元々錆びやすい鉄製の信号を、軽くて痛みにくい「アルミダイカスト製導入」など、これら全ての開発は信号電材さま。
私たちが一日一回は見ている信号機には同社の弛まぬ努力が詰まっているのです。

そして、驚いたのが補助信号。矢印の角度は一見90度に見えるのですが、実は100度ということをご存じでしたか?(私は知りませんでした)

人間の目にストレスなく見える角度、このΦ250を検証し導き出されたされたのも信号電材さま。
「誰にでも見やすい安心安全」を創り出す、同社の象徴ともいえるこの数値をCIにも取り入れ、ロゴタイプは100度の斜体に。また「すすむ」をイメージさせる3つの三角と信号3灯を表す円の組み合わせで「安全をつくり、安心な社会を実現する未来へ向かう姿勢」を表しました。

「D」は「TRIGRAM-D(トライグラムD)」と呼び、全て正四三角形・正円で構成。

 

「私たちのすすむをつくる。」を共有するインナー向けのブランドブックと50周年記念式典に合わせて提案したオリジナル法被。

私は正直、このお仕事に携わらせていただくまで、信号機自体を意識したことがありませんでした。

それほど我々の日常に、当たり前に存在する信号機。
『安心安全』をモットーに、毎日毎日、正確に私たちの生命を守ってくれています。


そこには福岡の偉大なる挑戦者たちの絶え間ない研究と検証、努力の成果が込められていました。