ミカドヤな日常

アートディレクター/グラフィックデザイナーの夫とイラストレーターの妻の日常です。ミカドヤのHPはコチラ:design.mikadoya.jp

駆け落ち爺さん。

実家に帰省。畑で戯れる爺さんと孫。

そそくさと葱を収穫する妻。

 

息子からのリクエストで母が昔の写真を出してきました。

血は争えないもので、今の息子と瓜二つな子供の頃の私。
そしてまっすぐ起立している写真がほぼない子供の頃の私。(このつま先の角度がムカつく)

 

おそらくこちらはクラス主催のキャンプ大会。また調子に乗って歌っています。

そして親友との一枚。

小学校〜高校、そして社会人になってからもしばらく同居、というくらいずっと一緒だったもう一人の“啓介”と『ダブルケイスケ』なるコンビ名でこの頃は歌ネタ漫才をよく披露していました。

 

この漫才からおよそ7年後。こちらの(モテるほうの)啓介は高校一年の時、交際を認めない互いの親に反発し、彼女と二人で福岡へと駆け落ち。

公園で野宿、ときに親切そうな独身男性をコンビニで物色、頼み込んで宿泊させてもらい、偽名にて職を探す。年齢を偽り「兄妹」という設定で物件探しに入ったのが最後、不審に思った不動産会社が警察に通報。大名〜赤坂を舞台に警察と不動産スタッフ相手に大捕物を繰り広げ、10日間に及ぶ愛の逃避行は幕を引くのでありました。トゥルーロマンス。

失踪当日、捜索願いを出す前に「何か知ってることはないね?」と深夜私の家に訪れた二組の両親。もちろんシラを切りましたが、神妙な顔で玄関まで見送ったあと、「啓介、お前絶対居場所知っとるやろうけどオレは聞かん。・・・しかし、あのケースケやりやがったな!逃げろ逃げろ!!笑」と、手を叩いてはしゃぐ父と母。
それもそのはず、実は母も(あの男と一緒になるなら敷居をまたぐな!)と父との結婚を猛反対された過去があり、着の身着のまま二人で駆け落ちし数年後産まれたのがこの私なのであります(笑)
だから私は10歳くらいまで祖父母はもちろん親戚一人たりとも会ったことありません(笑)

「啓介、お前もそんな女はおらんとか?笑」「・・・あん畜生、やりやがって笑」とブツブツ言いながら『あの頃』の自分を投影し、布団の上で酒を注ぎながらニタニタしていた父の姿を今でもよく覚えています。

 

そんな過去をもつ血気盛んな駆け落ち爺さん、今では孫と写真を撮りたがります。

残念ながら子供の私との写真はほとんどありませんが、いいんです、いいんです、孫といっぱいこれから撮ってあげますよ。



そんな中、父親との貴重なツーショット写真を発見。家に持ち帰ったのはいうまでもありません。

82歳にして365日一日も欠かさず昼から酒を飲んでいるこの爺さん。
病院の薬を酒で流し込むほど、風邪を引こうが痛風が出ようがずっと飲んでます。母が言おうが私が言おうが孫が言おうがもはや聞く耳を持っていません。
もうアナタの残りの人生だから今さらとやかく言いませんが、せっかく産まれた孫とのツーショット写真、もうちょっと増やしましょうよ。。

 

 

【 今日の1本 】 
逃亡者(1993年/130分/アメリカ)

その後、ケースケたちは無事に結婚。今は2人の子供と地元で幸せにしております。
が、そういえばあの時貸した逃亡資金の2万円返してもらってたっけな。(取り立ていこ笑)