ミカドヤな日常

アートディレクター/グラフィックデザイナーの夫とイラストレーターの妻の日常です。ミカドヤのHPはコチラ:design.mikadoya.jp

熊日デザイン賞。

熊本日日新聞主催の「熊日デザイン賞」。
実は以前から応募していた賞でもあります。

審査は28日(土)でしたので、「そろそろ結果がでているのかな?」と
本日ホームページを見ましたところ、「ポスター自由題の部」で「3席」を受賞していることが判明しました。


私は以前から仕事としている商業デザイン以外で、表現する立場として、社会に何かできることはないか?と常々考えておりました。
私のデザインで少しでも社会に対してメッセージを伝えることができないか。
人を動かすようなことはできないか。。。


57周年を迎える新進デザイナーの登竜門+公共ポスターで募集枠がある
熊日デザイン賞」はずっと意識していた賞でした。




今回の震災を受けて、各国からたくさんの援助や救援物資の状況を見ていて、
改めて「地球はひとつなんだ、ひとつにならないといけないんだ」と感じたこと。
また一方でビンラディン容疑者の殺害を、アメリカ国中で髪を振り乱して喜んでいる映像。。
いろんな事を考えているうちにアイデアが降りてきました。


「世界に愛を」をコンセプトに私が制作したのは、世界中言語不要の世界地図。
おそらくどの国の人がみても共通のものだと思います。
師匠の言葉で、「パソコンでデザインするな」があります。
世界地図を買ってきて、それを国別にハサミでバラバラに切り、
何十通りもある「国土のパズル」をハート型に組み立てていきました。



カタチが決まれば、それを写真に押さえ、次はトレース。
百戦錬磨の審査員には「体裁だけのデザイン」はすぐバレます(仕事もそうです)。
本当は地図のデータ素材なんて誰でも持っているものなのですが、
それでは今回の作品用のオリジナルにはなりませんし、魂も気合いも感じません。
仕事を終えた一日、少しずつ、何十時間も要して、陸地・山脈・海川などののトレース作業を行いました。
ここでも師匠から鍛えられた「0.01mm単位のデザイン」が活きております。
国連に加盟している・いない関係なく、図書館と外務省HPで調べまくった世界中の国旗を、全てハートマークにしました。
不思議と四角からハートに変えるだけで、緊張感のある国も、優しい・柔らかい国に見えてくるのはハートのもつチカラなのでしょうか。
(願いを込めて、アメリカの隣に北朝鮮・日本の隣に中国を配置してます)
最後に絞り出したコピーは、「LOVE」と「EARTH」を合わせた「LOVEARTH.」
といった作品です。





今回、何よりも審査員の中に、私が大好きなアートディレクター・水野学さんがいたことが嬉しかった要素の一つでもあります。
水野さんのお仕事は逆立ちしても真似できないようなものばかりで、「っぽい」ものを作るのさえ難しい、とてもスゴい作品ばかりです。
「よし!水野さんに僕の作品をぶつけてみよう!」
そんな思いもありました。
水野さんに見ていただけるだけでも天にも昇る気持ちなのに、選出していただいたなんて。

本当に嬉しかったです。やっててよかったです。
ただひとつ悔やむのは、仕事だったとはいえ、公開審査には行きたかったです。。


これからも、決して驕らず、手を抜かず、
大好きな広告の世界で表現し続けたいと思います。